銀座でパールを体感する旅に出よう

VR(ヴァーチャルリアリティ)を体験したことがありますか? 未体験の方にぜひおすすめしたいのが、9月8日まで銀座4丁目のミキモトホールで開かれている「Feel the Pearl 感じるパール展」です。会場内に置かれた近未来的なVRグラスをつけると、ミキモトのパールが育つ海のヴァーチャルトリップがスタート。英虞湾の景色や養殖場のようす、海中で育まれるアコヤ貝などを、手の届きそうな距離に感じることができます。じつは私も初めてのVR体験だったのですが、視界に広がる空間に、現実のような奥行き感があることに驚きました。たとえば御木本幸吉翁の居宅から英虞湾をのぞむ場面では、縁側からあと一歩踏み出せば、段差のある庭に落ちそうな感覚におそわれました。また養殖場の海をボートで進む場面では、ボートの下に迫る波に、そのまま呑み込まれてしまいそうな気分に。その度に何もないところで、(ちょっと大げさかもしれませんが)跳びのいたり、のけぞったり。周りの人に見られてないことを願うばかりでした(汗)このヴァーチャトリップは5パターンあって、それぞれ1分半程度です。VRに加えて、パールができるまでのプロセスや真珠養殖発明のヒストリーのオリジナルムービーを、会場内のモニターで見ることができます。


そしてもうひとつ、見逃せない展示があります。それは14種類のパールとその母貝が一緒に見られること。基本的に二枚貝はすべて、真珠の母貝となる可能性を持っているのだそうですが、巻貝の展示もあり、自然の営みの奥深さが感じられます。母貝といえば、アコヤ真珠と南洋真珠しか知らない私にとっては大発見!コンクパールやメロパールなど、実際にジュエリーに使われている希少なパールから、アワビやムール貝、ホタテ貝の仲間などの意外な(美味しそうな?)パールまで展示されていて、「え!こんな貝も!」と驚き、それぞれの美しさに魅せられてしまいました。

さらに極めつけは、総額約12億円のハイジュエリーが集結するミラールーム。先ほど母貝と一緒に見た希少なパールが、ここで壮麗なハイジュエリーとして登場しています。前のブースで覚えたパールを発見する楽しさを味わいつつ(これは私だけ?笑)、一堂に会することが稀な7点のハイジュエリーを堪能!中世よりヨーロッパでは、パールが最高の宝石と考えられてきました。それは単なる希少性だけではなく、パールだけが持つ神秘的な美しさゆえに違いない、と展示を見て実感しました。パール特有の神々しさ、高貴さは、鉱物の宝石にはないものだと思います。また鏡を効果的に配した展示方法によって、パールジュエリーの美しさを多面的に捉えることができました。

この「感じるパール展」では、VRやムービー、ミラーを活用した視覚的な展示によって、専門的な内容までも楽しみながら見る=感じることができるように思います。真珠の生い立ちに興味のある方はもちろん、ただ綺麗なジュエリーを見るだけでは物足りない方にも、真珠を感じる旅@銀座をおすすめします。

「Feel the Pearl. 感じるパール展」〜9/5(水)@ミキモト銀座4丁目本店 7階ミキモトホール 入場無料

成瀬浩子

WRITER : Hiroko Naruse

BACK