山歩き三昧のマヨルカで迎えた2017年

去年のクリスマスから年明けまで、スペインのマヨルカ島で過ごした(上写真はマヨルカの象徴、カテドラル)。寒さが苦手な私にとって、一年で一番寒い時期をどう乗り切るかはいつも問題で、今までは真逆の季節を楽しめるセーシェルやスリランカに行ったりしたが、冬でも温暖でバーゼルから2時間弱のフライトで行けるマヨルカに行くのが一昨年から恒例になった。

早朝のフライトでマヨルカに着くと、そこはいつものように青空が広がる。まずはレンタカーを借りて、宿に行く前にスーパーマーケットに。長期の滞在には最近はキッチン付きのアパートメントタイプのホテルにすることが多く、食材の買い出しは必須だ。

こちらはパルマにある市場の鮮魚コーナー。地元の人でいつも賑わっている。

今回の宿はフィンカと呼ばれる農家を転用したもの。最近はこうしたこじんまりしたアグリツーリズムの人気が高い。マヨルカの中心都市パルマから車で20分程度のところだが、地図にも載っていない小道をおそるおそる車を走らせて行くと、遮断機もない踏切の先に、絵に描いたようなフィンカを発見。オーナー家族の住む母屋の別棟が私の部屋だ。

左手に見えるのが今回のホテルのオーナー家族の住む家。ちなみにこの鉄道はパルマと島北東部のソレルを結ぶ、島に1本しかない人気の観光列車が走る。

私の泊まった別棟。メゾネットになっていて、1階にリビング、2階にキッチンとダイニング、バスルーム、寝室がある。

可愛らしいリビング。暖炉もあって冬の滞在でも大丈夫。

オーナー一家。おばあさまは毎朝、朝食に違うケーキを焼いてくれた。犬のフォスカとは毎日散歩してすっかり仲良しに。

広い敷地内にはオレンジやレモンの木がそこら中にあり、たわわに果実が実る。桃源郷とはさながらこんなところでは、と思う。ここを拠点に2週間余り。宿にはプールもあるが、泳ぐにはまだ早過ぎる。だから私の目的は山歩き。マヨルカ島の北側には高い山が連なり、無数のハイキングコースがあるのだ。エメラルドグリーンの海を臨むコースや何百年前に造られた石段が続くコースなど変化に富むが、どこも自然が美しい。着いた翌日、早速、車でコースの一つに行ってみた。車道から一歩コースに足を踏み入れると、オリーブ畑の中で放牧された羊たちが草を食んでいる光景が。華やかな海沿いのリゾートとは違う、マヨルカのこんな素顔が垣間見えるのも魅力だ。

この光景はもう何百年も前から変わらないのだろうな、と思うとなんだかホッとする。

私自身、あまり写真は撮らない質でも、行く先々で出会う動物は撮る。ここには絶好の場所で昼寝をむさぼる猫が。

山歩き三昧の毎日の中で、大晦日だけはちょっと特別だった。同じ時期に島に滞在していたドイツ人の友人たちと合流し、パルマでディナーの後、カウントダウンへ。広場ではすでに多くの人が集まり、建物の壁にプロジェクションマッピングされた映像で秒数が刻まれ、0のかけ声と共に、みな誰彼構わずにハグ、ハグの嵐。

激動の年になるのは間違いない2017年は、こうして平和な喧噪の中で始まった。

わかりにくいですが、2017年になった瞬間。左手の建物に見える時計もプロジェクションマッピング。

いやな世の中もこの時ばかりはお祭り騒ぎで。

 

WRITER : Ayako Kamozawa

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